令和8年2月26日〜3月10日にわたって、ラオス国サバナケット県を訪れました。保健学科国際地域保健学分野に所属する3年生が実施する卒業研究のテーマとして扱う貧困僻地に住む少数民族の女性達が“オムツ”“生理用品”の使用に関する研究に同行しました。現地スタッフのご厚意で、合わせてサバナケット県保健局、県病院、セポン郡病院やヘルスセンターを見学することもできました。
セポン郡病院は、フランス式の作りで、構造や医療施設としての機能は日本と大きく異なっていることがわかりました。僻地に位置していますが、エイズ患者のサポートにも力を入れている限られた施設のひとつであり、検査のみならず、告知の際のフィローアップに尽力していることを学びました。特に、カップルでのカウンセリングも行うなど、幅の広いサポート体制が印象的でした。現在、多数の手術をおこなっていて、帝王切開が主な症例であり手術室は1室しかないこと、保育器の機材は設置されているが、適切に使うためのトレーニングが行われておらず、このために日本からのボランティアの派遣が期待されていと話を聞きました。
セポン郡では現在JICAの支援を琉球大学が受けてセポン郡において「貧困僻地郡における女性のエンパワメントによる母子保健強化プロジェクト」が実施されていますが、プロジェクト活動をみることもできました。
セポン郡のドン・サバン高校では、ヘルスボランティアの方々のワークショップをみることができました。各村から、男性、女性ボランティアが集まり、活動の報告や、今後の活動に関する授業とブレインストーミングが行われていました。優秀な活動が認められた村には今後賞が贈られる予定であり、このこともインセンティブとなり、僻地の村でヘルスボランティアの方々が中心となって尽力していることを感じることができました。
また、プロジェクトではヘルスボランティアを活用した児童婚対策のモデル作成を始めていました。このためにサバナケット県教師養成大学と県保健科学大学の学生達が地域実習の一環として児童婚を止めるための健康教育を実施しており、このためのモニタリングワークショップが開催されていました。ワークショップが始まる前のアイスブレイクに参加して、みんなの前で“恋(星野源)”を歌いました。急な参加でしたが、皆さんが楽しんでくれた様子でいい経験になりました。様々な視点から、僻地での保健活動について考えることができ、島嶼地域を抱える沖縄県でも、他分野を学ぶ学生との協力による活動を導入するといいのではないかと考え、自身の学習活動にフィールドバックしていきたいと感じました。学生たちは、ショート動画を活用して、より若い世代にアプローチし、活動を広げる工夫をしていました。
卒業研究で同行した、Arhor村とLakhuem村では、私たちの視点や考えを広げる体験ができました。トイレと言っても、日本で見るようなスタイルでは無く、森で排泄している場所や、同じ村でもトイレがある家とそうでない家があり、日本との格差、同じ国の都市部との格差、同じ村のなかでの格差を目で学ぶことができました。家族同士での助け合いが色濃く、村全体で子育てをしている印象を受けました。家の作りが高床式で、中が涼しく、交流できる場所になっていました。教科書で学ぶこと以上に、実際に行って活動の様子や生活の様子に触れられる経験ができ、大きな学びになりました。
以上のように、現地の人々の交流と活動を通して、これまで当たり前だと思っていたことが、地域によって大きく異なり、保健活動を行なっていく際には、自身の価値観の枠組みを超えて、異文化理解と現地の価値観を尊重した姿勢が大切であることを学びました。今回の経験は、自身の視野を広げ、世界にはさまざまな暮らし方や考え方があることを学ぶ貴重な機会になりました。これからも今回の学びを大切にしながら、保健や地域の健康について理解を深めていきたいと思います。
この貴重な機会を設けてくださった、琉球大学医学部保健学科国際地域保健学教室の小林潤教授とケークさん、ラオス国立大学のケッサナ先生、サバナケット県保健局のインタノム先生、現地プロジェクトスタッフのパオさんをはじめとする多くの皆様に感謝しております。ありがとうございました。
(保健学科2年仲宗根・1年長堂 記)



