
臨床心理・学校保健学研究室
臨床心理・学校保健学研究室
臨床心理・学校保健学について
学校保健は,心身の発達が未熟なこどもの学校生活への適応をはかり、学びを保障するための環境整備や支援活動であるとともに,“心身共に健康な国民”としてより良い社会を形成する一員に育てるための教育活動そのものでもあります。病院臨床とは異なる学校特有の文化をふまえつつ,保健管理と保健教育の展開を組織的に行うことが必要とされ,医学各領域・看護学・教育学・心理学・社会科学関係領域等のさまざまな学問が関与する学際的な分野です。
臨床心理学は,心の問題や葛藤を抱えた人を心理学的なアプローチで支援する実践学です。人間は生まれてから成長する過程で,さまざまな悩みや葛藤に直面しますが,それらを通して発達する面も多くあり,さまざまな考え方や対処の仕方等が数多く研究されてきています。
教員
教員氏名:和氣 則江
- 職名:講師
- 学位:修士(保健学)
- 専門分野:学校保健学
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【研究者総覧】http://kenkyushadb.lab.u-ryukyu.ac.jp/html/100000119_ja.html
教育
当分野では,学童期~思春期・青年期に生じがちな,さまざまな心身の健康問題に対処しつつ,こどもたちのより良い発育・発達を促し健康づくりを行うために,諸活動を企画し多職種と協働して課題に取り組める人材の育成を目指しています。特に,学校保健活動の推進において中心的役割を果たす養護教諭の力量形成に関与し,病院臨床の看護実践とは異なる“教育活動”としての健康管理の考え方や,展開方法等の教育に力を入れています。
主な提供科目は,養護教諭の資格取得に必要な科目のうち,具体的な職務内容を紹介する「養護概説」や実践的な内容を扱う「養護実践演習」「養護実習」「教職実践演習(養護教諭)」等です。児童生徒の現代的な健康課題である心の健康に関する授業も提供しています。
研究
学校保健は学際領域であり,研究テーマも多岐にわたります。これまでに手掛けた研究には,以下のようなものがあります。
- 大学生の適量飲酒の認識と飲酒行動との関連~アルコール感受性のちがいによる検討~
- “保健室登校”児童生徒への支援に関する検討-支援結果別にみた児童生徒の様相について-
- 養護教諭の職業的ストレッサー尺度の試作
- 高校生における自己受容と精神的健康との関連
社会貢献活動
- 沖縄県教育庁保健体育課「保健室登校等に関する調査」検討委員会委員
- 養護教諭新規採用者研修や養護教諭10年経験者研修における講師
- 教員免許状更新講習における学校保健に関する科目提供
主な卒研テーマ
- 沖縄県における児童生徒の「むし歯」および「歯肉の状態」の動向
- 沖縄県の特別支援学校における医療的ケア実施体制の現状
- 特別支援学校における医療的ケア対象児と看護師配置の動向~全国と沖縄県との比較~
- 一次救命処置に関するA大学生の意識および態度~教員志望学生と一般学生との比較検討~
- “保健室登校”児童生徒への支援に関する検討 など
メッセージ
病んだ人・病みかけている人のケアは大切です♡ その一方で,病まないための予防的なアプローチや,より良い健康づくりのために働きかけることも必要で,とても重要です。学齢期~青年期の心身の健康を護り,こども自身が喜んで健康のことを学び,健康的な生活を実践できるようにするために,その方法や仕掛けを一緒に考えてみませんか。Healthy Schoolに関心のある人や,研究に取り組んでみたいという意欲ある学生さんを歓迎します!
